三重奏曲(trio.zip)

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 毎度似たような書き出しになって申し訳ありませんが、この編成の為に書かれた楽曲は決して多くはありません。
ソナチネッタを書き上げてしばらく経った頃。本来書こうとしていた楽想が動いてくれないなぁと思っている折、配信コンサートのチラシの日付を改めて見つめたら、それまでの逡巡を根底から吹き飛ばすアイデアが出てしまいました。
 そうです。七夕の精神が根底に流れています。「7月7日にしか会えない、その日に会ったら次会うまでまた一年待たなければならない。」です。
楽曲自体は大まかには四つの季節(楽章)に分かれていますが、春夏秋冬という分け方……というわけではありません。
暦の上では夏は何月から何月で〜という議論もございますし、何より「四季」と言うほど日本の季節は粗く分割されるものでもないと思っているので、それぞれに標題を付けて以下のように分けることにしました。

I. Andante “Routine”
II. Quasi adagio “Distance”
III. Animato “Rainy”
IV. Luminoso “The Day”

 あんまり説明するのも野暮というものですが、分かって聴いて頂きたい気もするので少しだけ説明を。
 第一楽章はソナタ形式。織姫と彦星が恋愛にかまけてサボりまくった為に天帝が罰として(これは想像ですが、本来なら二度と合わせないようにするところを)「一年に一度は合わせてやるからそれ以外の日は真面目に仕事しろ」という処遇にした事で、日々仕事に専念せざるを得ない二人の様子です。
これは四季に当てはめるならば、恐らく秋から冬にかけての事なのでしょう。
 第二楽章は緩徐楽章。冬から春にかけて、仕事に励みながらも、お互いの事を愛しく思えば思うほど、その距離を強烈に意識せざるを得ないような状態なのでしょう。
 第三楽章。帰着点が七夕と分かっていれば、日本に住む方はその前の楽章(敢えて「あめふり」と訳したいところですね) がどの時期を指しているかはお分かりになる事でしょう。
まもなく会えるという期待が隠し切れない楽章。
(このページの末尾に「※作曲当時の日本は現在の雨季のような『梅雨』と呼ばれる一ヶ月程度の雨や曇りの日が多い時期があったそうです」なんて注釈を付けなければならないような事にならない事を心から祈っております)
 第四楽章は再会のその日。カササギたちが翼を並べて天の川を渡る橋を二人の為に作ってあげる……そんな伝承があることを、今回調べて初めて知りました。

 特に終楽章の終わりの方は劇判みたいな様相ですが、やはり日本人としても「再会がエンディングではなく、また会えない一年の始まりでもある」という見方もしたいと思いこういう形になりました。
さしずめ「室内楽と劇判のあいだ」という事なのでしょうか。

 ※散々流れについて書きましたが、初演の際は音楽の流れとしてその方が良いという理由で、第二楽章と第三楽章の演奏順を入れ替えました。
(この段落の末尾に「※近年では楽曲の周知がなされてきたという事で、作曲当時に想定されていた楽章順で演奏されることも多くなって参りました」なんて注釈が付けばいいなぁ……)

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この曲は、2026年7月7日 入間市・武蔵ホールからのライブ配信コンサートにて初演されました。
https://www.youtube.com/live/jkiZh7zFkcI?si=TyjEjnmVXgcq5hBT&t=4068

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スコア譜とパート譜(オーボエ、ファゴット)がセットになっています。
ご購入いただくと、3つのPDFが入ったZIPファイルをダウンロードできます。

・スコア譜 54ページ
・パート譜(オーボエ) 13ページ
・パート譜(ファゴット) 14ページ